こんにちは、ソプラノの櫻井愛子です。
前回の記事では藝大大学院の大学院音楽研究科声楽専攻、通称「ソロ科」の入試の流れと提出曲についてご紹介しました! 今回は、声楽専攻の入試で最後に待ち受ける、「3次試験<音楽史・語学>」についてご紹介します。
※以下の記事は概要です。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
(写真:ドイツ歌曲特殊研究の発表会の集合写真)
3次試験の概要
声楽専攻の入試は2度に渡る声楽の実技試験の後、最終試験として筆記試験を受けることになります。 筆記試験は語学と音楽史の2つで、語学は英語・イタリア語・ドイツ語、フランス語から1言語を選びます。 入試過去問題は音楽学部学生募集係(上野校地5号館1階)で閲覧することができます(事前予約制)。 また過去2年分の大学院入試過去問題はこちらのページで閲覧することができます。
2022年は9月23日に
音楽史 10:00~12:00
語学 13:00~
というタイムスケジュールで行われるようです。
音楽史の試験内容と対策
制限時間は2時間で、専攻別(声楽専攻なら「声楽を中心とする音楽史」)に3つの問題に記述式で答えます。
声楽の音楽史というのは器楽の音楽史と比べ非常に歴史が長いので、時代時代で肝となる作曲家・楽派・作品を厳選して押さえていく必要があります。厳選しても非常に多いです。 対策としてオススメは、 ①できるだけ沢山の過去問を見る
過去問に出題された作品などは、もれなく声楽音楽史において重要な事項なので、全て200文字程度は記述できるようにしておいた方が良いです。記述内容については、私は図書館所蔵のニューグローブ音楽事典など信頼のおける書籍で調べて自分で「これは興味深い」と思える内容をインプットしました。 ②作品や様式などを同時代・時系列などで関連付けて覚える
1つの作品や様式だけを覚えることはとても難しいです。どのようなニーズや思いがあってその作品が生まれたのか、その作曲家は誰または何に影響されていたのか、など自分の興味があることを掘り下げてみると面白いと思います!
語学の試験内容と対策
語学の試験はどの言語も、長文の全文あるいは部分を日本語に訳すことが要求されます。
物語文と説明文の2種類の長文、つまり大問2つが出されることが多いです。
試験時間が1時間半なので、大問1つにつき45分を目処に解いていくことになります。
試験会場に時計が見える場所にない可能性があるので、アナログの腕時計を持っていくと良いです。
長文の難度として「大学卒業程度」とありますが、これは大体ヨーロッパの語学レベルCEFRにおける「B1」程度と捉えて問題ないかと思います。おおまかに英検でいうと「2級」レベルに相当します。
対策としては、
①とにかく長文を訳す
前述した「B1」あるいは「2級」の検定対策本などに載っている長文を訳すなど、数をこなすと良いと思います。まずは日本語訳がついている書籍をおススメします。
②辞書をカスタマイズする
試験会場には「紙辞書」を持っていくことが可能です。紙辞書についての細かい規定はないので、自分が引きやすいよう付箋をつけたりカスタマイズすることが出来ます。辞書を引く時間は本当に馬鹿にならないので、普段から紙辞書で長文訳をして慣れると良いと思います。
最後に
色々と書きましたが、筆記試験で1番大切なことは、
解答用紙にきちんと書くこと
です!!
試験では解答用紙とメモ用紙と別に配られると思いますが、制限時間内に必ず解答用紙に解答しましょう!
メモ用紙にだけ解答を書いて真っ白な解答用紙を提出した人がいるとかいないとか…どうぞお気をつけください。
それでは受験される方々が酷暑に負けず充実した夏を過ごされることを祈っております!
最後までお読みいただきありがとうございました!
イイねやコメントがブログ作成の励みになります。応援よろしくお願いいたします。
Comments