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自分にとってベストな音楽留学プランを考える~押さえておきたい3つのポイント~(体験談も)

こんにちは、ソプラノ・ボイストレーナーの櫻井愛子です。

コロナもようやく落ち着いてきて、「そろそろ留学したいなぁ、でもどうやって自分に合った留学先を見つければ...?」とお悩みの方に、声楽をウィーンで3年間学んだ筆者が「音楽留学を考えた時に押さえておきたいポイント」をご紹介します。


音楽留学プランは ①学びたいこと ②期間 ③留学先 の順番で考えていくのが良いと思います。 そこで、留学先を考える上で私が重要だと思う3つのポイントをご紹介します。




留学先を決める3つのポイント

その① 自分の好きな分野を深く学べる環境かどうか


「イタリアオペラが学びたいからイタリアにした」や「古楽を学びたくてオランダへ」「リートが好きだからドイツへ」など、好きな分野の音楽の発祥の国や、発展している国にまずは語学の研鑽を兼ねて行く、というのがよくあるパターンです。 また、「この先生につきたいからここに来た」という声もよく耳にします。留学先の先生の存在は留学の質を大きく左右します。まずつきたい先生から考える、というのも王道のパターンでしょう。 このポイントを具体的に押さえていると、先生がいらっしゃるコースを目指せばいいので、自分が進学したい大学のコースを調べやすくなります。また留学期間を短期で考えている場合はプライベートで師事するのもありです。

その② 学校の運営/将来的な仕事環境 が整っているか


ヨーロッパ内の大学に通っていた人から「普通に授業料を支払っているのに、先生が多忙などの理由でレッスンが規定より相当少ない回数しか受けられなかった」みたいなことをたまに耳にします...。 それがつきたい先生であるならば致し方ないですが、もしも大学受験を考えている場合は出来れば入試を受ける前に受けたいコースに在学している方に学校の事務処理能力や雰囲気について話を聞いてみるのが一番だと思います。 また、「QS World University Rankings by Subject」という世界の芸術大学(音楽大学)のランキングがあるのですが、このランキングを見て留学先を想像してみるのも良いかもしれません。


世界音大ランキングのリンクはこちら↓ QS World University Rankings for Performing Arts 2023 | Top Universities


また、将来外国での就労を考えている場合は、留学先の国、或いは地域における音楽に関する仕事の労働環境も注視すべきです。声楽で言うと、歌劇場や放送合唱団といったプロ合唱団の有無が良い基準になります。


仕事を探すにももらうにもコネクションはあるに越したことはありません。国あるいは地域が文化的な仕事に恵まれた場所であるならば、留学中に出会った人から声をかけられることもあります。また大学の先生がどこかの劇場のお偉いさん、ということもあります。

ただ、ヨーロッパ音楽界も知り合いの知り合いまでたどれば全員に辿り着くぐらい狭い世界なので、実力やガッツがあればどの国にいてもチャンスはどこかに転がっているはずです。


その③ 留学先の文化的な環境の良し悪し


留学に関して、学校などレッスンでの学びも大事ですが、レッスン以外での学びも重要です。 個人的な体験ですが、様々な演奏会に足を運んだことはレッスンと同じくらい自分の中で音楽的な糧になりました。 なので、留学先でどれだけ上質な演奏会を見るチャンスを得られるか、ということも是非チェックしていただきたいです。 やはりウィーンやミラノ、ロンドン、ベルリンなど国の首都や大都市は、名だたる音楽家たちが頻繁に立ち寄りますのでお勧めです。


個人的経験


ここまで偉そうに3つのポイントをご紹介してきましたが、私個人はほぼノープランで留学を始めました。間違いなく上記のポイントを押さえた上でプランを練った方が満足感のある留学になるとは思いますが、あまりガチガチに「こうでなくてはならない」と決めつけずに、「とりあえず行ってみるか」と本能のままふらりと行くのも悪くないと個人的には考えています。 私の留学先の決め方は「モーツァルトが好きだから、オーストリアの空気でも1年ぐらい吸いに行くか」とかなり気軽なものでした。 留学を始める半年前あたりに、友人の先生からウィーンの先生をご紹介いただけることになって留学を始めたところ、すぐに1年間滞在するために滞在ビザが必要なことが判明しました(単純に調べ不足)。それでご紹介いただいたウィーンの先生との相性が良かったので、滞在ビザを取得するためにその先生がいらっしゃるウィーン国立音楽大学を受験しました。 完全に成り行きのような形だったのに運よく入学できたウィーン国立音大は、良い先生に恵まれただけでなく、とても組織的にしっかりした大学で、入学当初から何か困りごとがあった際には相談するとどこかのセクションがきっちり対応してくれました。 またウィーンでは、国立オペラ座、楽友協会を始め街中の会場でほぼ毎日のように世界的スター達の演奏を聴くことができました。5ユーロほどの安いチケットが手に入りやすかったので、声楽は勿論、器楽の演奏会にも沢山足を運ぶことができたのは今考えるととても有難いことでした。




以上、「音楽留学を考えた時に押さえておきたいポイント」をご紹介しました。

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