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モーツァルトの《ミサ曲ロ長調 KV275》のソリストとして出演しました【コロナ禍のミサでの演奏】

更新日:2023年3月5日


 2年半前の留学開始直後から、私はウィーンのイエズス会教会の合唱団(Chorvereinigung St. Augustin)に所属しています(ちなみにキリスト教の信者ではありません)。あるお知り合いに紹介していただいたことがきっかけで入団することになったのですが、本当にご紹介していただいたことを感謝しています。  ドイツ語が本当に出来なくて、右も左も分からない時から合唱団の皆様が本当に優しく接してくださいました。例えば小節番号もドイツ語で言われるのですが、数字が聞き取れなくて「?」ってなっていると、隣の人がそっと教えてくれたりしました(今は聞き取れるようになりました!)。  学校で上手くいかなくて悩んでいるときも、教会の練習に行って皆と合唱をすると自然と晴れやかな気持ちになりました。

イエズス会教会の合唱団は毎週火曜日の夜に、その週の日曜日のミサの本番(なんとほぼ毎回オーケストラ伴奏!)に備えて練習します。つまり一回の練習のみで本番を迎えるという、プロ合唱団顔負けのスケジュールをこなします。アマチュアの合唱団では到底出来ないように思われますが、長い年月をかけてレパートリー化しているので高いレベルでそれが実現できています。

レパートリーは一体何曲あるか想像もつきませんが、取り敢えず私の場合、2年半で異なる教会合唱曲を30曲も歌わせていただきました(ウィーン古典派に偏ってはいますが💦)。ソリストの方はVolksoperの歌手であったりとても上手な方が多く、それを聴くだけでもとても勉強になりました。過去には当時ウィーン国立歌劇場に所属していた佐々木典子先生もソリストとして歌っていらっしゃいました(ノリコササキに師事していたと団員に言ったら当時のCDをくれました)。


(教会内部の様子)

 合唱団で1年半ほど歌った頃、Facebookでとあるコンクールに出場した際の動画をアップしたら、教会の音楽監督(合唱団の指導者でもある)が連絡をくださり、「コンクールの動画見たよ!良かった!」とおっしゃってくださいました。そして少し経ったある日、ミサのソプラノが急遽出れなくなったからピンチヒッターとして出てくれないかと頼まれました。  その時から、大体2、3か月に1度くらいの頻度ですが、ミサでソリストとして歌わせていただいています。

 そして先日、渡航から2週間も経たない内に「来週予定していたソプラノソリストが新型コロナウィルスの影響で出れなくなった、ピンチヒッターを頼めないか」と頼まれ、急いで楽譜を買いに行き、必死に準備して本番に臨みました。  感染予防のためオーケストラの編成は縮小され、多少歌いやすいのですが、同時に合唱も縮小を余儀なくされ、1パートに4人しかいません。そのため、ソリストも合唱の部分を歌ってほしいとお願いされました。

 これが思ったよりも大変で(合唱のソプラノって高い音が続いて大変!)、結局合唱の部分もしっかり練習することになりました💦

 今回歌ったのはW. A. モーツァルトの„Missa brevis in B(ミサ曲ロ長調 KV 275)”という曲で、自筆譜が消息不明の為に作曲年が分かっていないとのことですが、1777年の夏から秋以降に書かれたのではという研究があるそうです。つまりモーツァルトがザルツブルクの宮廷礼拝堂の音楽監督を辞職する頃に作曲されたということになります。

 曲自体はモーツァルト独特の明朗さがありつつ、中期の成熟してきている音楽性が垣間見える素敵な曲です。

 なんだかんだ10曲ほどモーツァルトのミサ曲を既に歌っていたのですが、この曲は初めてで、まだやっていないミサ曲があったか!と思いました(調べてみるとまだ残り6曲ありました💦)が、この機会に出会えて良かったです。


最後までお読みいただきありがとうございました!

櫻井愛子



 

合唱団のページ

„Missa brevis in B(KV 275)“ 音源

 

(ミサの看板)




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